[ 広がっています、急須茶生活。]

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vol.7 藤井 淳子さん(フラワーアーティスト)

FIORISTA Kyoto
英国ウェッジウッドとのコラボなど、京都や東京で数々の作品展やプロデュースを手掛けてきたフラワーアーティスト・藤井淳子さんが主宰するフラワーサロン。オランダスタイルをベースにしたフラワーアレンジメントのレッスンやプロデュースを行なう。またブライダルフラワーをはじめ、病院や会社受付、贈り物やご自宅用のフラワーアレンジメントやデリバリーも受付中。
住所:京都市左京区南禅寺下河原町
シャーメゾン南禅寺101
Tel.:075-201-8258
営業時間:10:00~16:00
休:不定休
http://www.fiorista.jp/

楽しい空間を演出するという意味でお茶とお花はとてもよく似ています。

 藤井淳子さんがこの世界に飛び込んだのは、いまからおよそ30年前。当時まだ日本では「フラワーアレンジメント」や「フラワーデザイン」という言葉が認知されておらず、京都でお花を教えているというと誰もが「生け花」を連想した時代でした。きっかけは、オランダからフラワーアレンジメントを教えるため京都に来ていたアーティストと出会い、いっしょに教室を立ち上げたことでした。

 フラワーデザインとお茶はよく似ているといいます。藤井さんは「たとえば器を引き立てるためのお花も、花嫁さんを引き立てるためのウエディングブーケも、あくまで花は脇役であって主役はそこにいる人。お茶の時間においても同様で、人が集まり会話を楽しむ時間を引き立てるのがお茶の役割だと、私は考えています」とその共通点を教えてくれました。
 ご自身が主宰されている教室のレッスン前に、生徒さんとお茶を楽しむ時間を持つようにしているという藤井さん。いつも自ら急須でお茶を淹れるのだそうです。「やはり美味しく淹れようと心をこめて淹れたお茶は、本当に美味しくなるんです。ゴールデンドリップとよくいいますが、私も最後の一滴まで心を込めて淹れるようにしています」と急須茶に込めた思いを話してくれました。

 また、緑茶の水色が綺麗に見えるような白磁の器を選んだり、飲み口は薄すぎず厚すぎないものにしたりといったことにまで気を配るといいます。「やはり色と質感と形には自然と意識が向きますよね」とフラワーアーティストらしい答えが返ってきました。「今日も皆さんに鳥獣戯画のお湯呑でお出ししているのは、いまちょうど京都国立博物館で鳥獣戯画の展覧会をやっているからです。器はこうした場の話題づくりにもなるんです」。それは茶道において季節やお客様にあわせて掛け軸やお花を変えるのと同じことだと藤井さんはいいます。いかにその場を心通わす空間に演出するか。お茶とお花に根差した「華麗なる脇役」としてのスピリットが、藤井さんのフラワーデザインを支えているのかもしれません。
※取材時

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