[ おうちで茶活! ]

Japanese Teaで、おもてなし!

おうちで茶活!第5弾 急須茶に欠かせない、"やきもの"の産地を知ろう。

急須茶と縁が深い日本のやきものを訪ねる。

 日本には、歴史あるやきものの産地がたくさんあり、それぞれに特徴や個性があります。急須茶でお茶を楽しむときに欠かせない急須や湯呑といった茶器類を、産地にこだわって選んでみるのも楽しそうです。季節感や手触りなどにもこだわりつつ、ほっと一息つく時間にぴったりな「自分だけの一品」を探してみましょう。

やきものの主な産地

日本には多くのやきものの産地があります。
お気に入りのやきものの故郷を旅してみるのも楽しそうです。

日本のやきものの歴史

日本でのやきものの始まりは、縄文時代の縄文土器といわれています。ついで弥生時代には弥生土器が登場し、鍋や水器などの生活用品の他に埴輪などもつくられました。その後、古墳・飛鳥時代には、ろくろを用いて成形した器がつくられ、奈良時代には釉薬も用いられるようになりました。さらに時代を経て鎌倉・室町時代になると各地で製陶が盛んになります。安土・桃山時代には、茶の湯の出現に伴い多くの茶陶がつくられ、江戸時代になると磁器の製造が盛んになり、ヨーロッパに輸出するほどになりました。

はにわ
やきものは「風土」が育む

日本のやきものは、産地によって特徴がさまざまです。特に昔は、身近にある素材でつくられることが多く、それが各産地の個性にもなっていました。やきものづくりには、必ず土が必要ですが、各地域によって土に含まれるものが異なり、それによって色や質感の違いが生まれました。また、土の他にも焼くための森林資源やつくる技術と人材が必要です。やきものは、その土地ならではの風土に根ざしているといえます。

信楽たぬき
中世から現代まで続く「六古窯(ろっこよう)

鎌倉・室町時代になると各地でやきものが盛んにつくられるようになりますが、この時代を代表する六窯を「六古窯」と呼んでいます。愛知県の常滑窯と瀬戸窯、福井県の越前窯、滋賀県の信楽窯、兵庫県の丹波窯、岡山県の備前窯です。中世は武士の台頭により、農村や都市の生産力と経済力が発展したといわれています。そのため庶民向けのやきものの需要が高まったのだとか。「六古窯」は中世に発達し、現代にも続く歴史あるやきものの産地です。

急須といえば「常滑焼」

お茶を淹れるのに欠かせない急須。さまざまな産地のものがありますが、朱泥が特徴の常滑焼の急須は、お茶をおいしくするといわれています。陶土に含まれる酸化鉄と、よく焼き締められ無釉のなめらかな陶肌が、お茶の味をまろやかに整えてくれるのだとか。

急須
お茶の色が映える「有田焼」

日本の磁器発祥の地といわれる有田。透き通るような白磁に豪華で精緻な絵付けが、輸出先のヨーロッパでも人気を博しました。飲むだけでなく目で見てお茶を楽しむためにも、お茶の色が美しく映える白磁は、急須茶の必需品といえそうです。

有田焼

茶器の故郷にこだわれば、ますますお茶がおいしくなる。

「陶器」と「磁器」、ここが違うのです!

知っていますか?

こいまろ
"土もの"と呼ばれる陶器
  • 原料には、精製した陶土(粘土)を使用
  • 少し吸水性があり、厚手でぽってりとした印象 厚手なので番茶など熱湯で淹れるお茶でも冷めにくく持ちやすい
  • 主な陶器としては、美濃焼、唐津焼、萩焼、益子焼などがある
  • 古くは飛鳥時代からつくられ、高火度釉の陶器は平安時代から
ゆのみ
"石もの"と呼ばれる磁器
  • 原料には、陶石または陶石と粘土を使用
  • 吸水性はなく、弾くと金属のような音がするのが特徴 薄手なので玉露や煎茶など低い温度のお湯で淹れるお茶向き
  • 主な磁器としては、瀬戸焼、有田焼、九谷焼などがある
  • 江戸時代初期に始まり、江戸時代後期には全国へ広がった
ゆのみ

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