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京都の食 冬編
京都の食文化を、さまざまな角度から紹介します。

いもぼう 平野家本店
北海道の棒鱈と九州に伝わる唐の芋、出会いの妙が伝える、京都の味を食す
京都市東山区円山公園内知恩院南門前
TEL (075)561-1603
営業時間:10:30〜20:30(オーダーストップ20時)
定休日:年中無休
URL: http://www.imobou.net/index.html
晩秋から冬にかけて「お芋さん」の美味しくなる季節。海老芋と北海道の棒鱈を組み合わせ作る煮物を京の地で根付かせたのが「いもぼう 平野家本店」。京都のハレの日の献立として食されつづけている伝統の「いもぼう」の味わいを訪ねました。
享保の創業以来、300年の歴史を その味わいに守り伝える
地下鉄東西線「東山」駅を南に歩くと知恩院の雄大な三門が現れ、さらに円山公園に向かって知恩院南門をくぐれば、すぐ右手に「いもぼう 平野家本店」があります。川端康成の小説「古都」や松本清張の「顔」のなかにも登場するという歴史ある佇まいです。
いもぼうの食材のひとつ海老芋は、平野家の先祖、粟田青蓮院に仕えていた平野権太夫が宮様の九州行脚に同行し、その際に持ち帰った唐伝来の芋です。現在の円山公園の一角で栽培したところ、この土地風土に適したのか海老に似た見事な芋が収穫できたそうです。もうひとつの食材棒鱈は、海から遠く隔たった地理にある京都では、海産物は塩漬けや乾物に加工され届き、塩鯖、ニシン、昆布などとともに珍重された食材でした。さまざまな貴重な食材を調理する試行錯誤を経て、海老芋と棒鱈を組み合わせ煮る「いもぼう」にたどり着いたのです。この2つを合わせて煮ることで、海老芋は棒鱈の成分によって煮くずれしにくく味をしみやすくさせ、海老芋のアクが棒鱈を柔らかくするという予想もしない相乗効果を発見しました。
遠く離れた九州と北海道、山の物と海の物、この2つの出合いは、互いの性質で個性を引き立たせあい、しっかりと京都の地に根付き、300年の伝統を今に伝えているのです。
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享保の創業以来、300年の歴史を その味わいに守り伝える
いもぼうに使われる海老芋の旬は11月から4月、冬の季節の食べ物です。お店は年中無休で営業していますので、海老芋の旬以外の時期は、小芋や里芋に変わります。それぞれに味わいがありますが、やはりいもぼうは、木枯らしが吹く季節に海老芋で味わっていただきたいもの。
丁寧に皮が剥かれた規則正しい包丁目がついているのに、お箸がすーっと入ってしまうほどに柔らかく、また口に運ぶとしっとりとなめらかな食感に驚きます。そして、 滋味深い味わいにほっと安らぎを覚えます。優しい歯ごたえを残した棒鱈も、煮汁の旨みを含んでホロホロと美味しくいただけます。
一番だしに薄口醤油と砂糖で煮た海老芋と棒鱈、一見素朴なお料理ですが、かたく乾燥した棒鱈を一週間水につけて戻し、海老芋と一緒に銅鍋で20時間以上煮て味を含ませる、とても手間暇のかかる料理です。京都でも、今では若い世代の食卓にはなかなかのぼることのない食材となりましたが、おせちと同様、ハレの日のご馳走として食されています。
冬枯れの円山公園、知恩院の散策の折には、出合いの妙、300年の歴史ある京都の味わいを「いもぼう 平野家本店」で楽しまれてはいかがでしょうか。
「御室 さわの」
落ち着いた空間で味わう 自分のためだけに淹れられたお茶の贅沢
京都市右京区御室竪町25-2 デラシオン御室1F
TEL (075)461-9077
営業時間:10:00〜18:00
定休日:火曜日
*2009年1月より定休日は月曜日
http://www.sanowa.shop-site.jp/top/top.html
御室・仁和寺のすぐ近くにお店を構える「さのわ」。お茶で和む「茶の和」という思いを込めて、美味しいお茶で大切なひとときを過ごせるようにと、2005年・春にオープンしたお店です。京都・京見峠の名水で淹れたお茶に合わせるのはオーストリアの焼き菓子というさのわの味わいに触れました。
しなやかで、そして揺るぎない所作が生む一服のお茶
さのわはオーストリアの焼き菓子と日本茶が味わえるお店です。オーナーがよく訪れる ウィーンの友人たちから、「ウィーンのお菓子に日本茶は合うわね」と日本茶のお土産をリクエストされることが多かったこと、また同時に、友だちを招いてお茶とお菓子で楽しい時間を過ごすのがとても上手なのが印象的だったこと。それをヒントに、日本茶と大好きなオーストリアのお菓子で過ごせる空間を京都で提供したいと、考えたのがきっかけだそうです。
「コーヒーはありますか?」とたずねるお客様もいらっしゃるとのことですが、日本茶の香りを消してしまう強いコーヒーは置きません。
しなやかで、そして揺るぎない所作が生む一服のお茶
さのわの店内はカウンター席がメインのおしゃれなレイアウト。そして、そのカウンター席に座ると、目の前で一煎ずつ丁寧にお茶が淹れられるのを眺めることができます。注文を受けてから、茶器を温め、茶葉を用意し、お湯をそそぎ、蒸らし、淹れる…。しなやかに流れるような所作はゆるぎなくて、気持ちのいい緊張が漂います。
お湯は、京都の名水のひとつ、京見峠の水を毎日汲んで使います。この水を湧かして淹れるとお茶はとてもまろやかになるそうです。茶葉は、玉露と雁ヶ金は京都産を使っていますが、京都にこだわらず作り手の顔が見える、有機栽培のものを使っているそうです。
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じっくりと時間をかけて自分の手元に置かれたお茶は特別なものに感じます。お茶を飲むわずかな時間を作り手が大切にしている、それは自分自身を大切にもてなしていただいたという満足感なのだと思いました。
享保の創業以来、300年の歴史を その味わいに守り伝える
さのわの店内にはさまざま作家の作品があります。
入り口右手の壁を飾るのは、そごう心斎橋本店や東京ミッドタウン・ガレリアなどの店内装飾を手がけている和紙ディレクター、堀木エリ子さんの作品。この作品を見に来店されるお客様もいらっしゃるのだとか。
店内、中央のテーブルに並んでいる急須や湯飲みは、陶芸家 村田森さんの作品。お二人とも京都出身の若手の作家です。
他にも、お店で使っている茶葉や焼き菓子、あられ、アクセサリー、バッグなどの雑貨などを購入することもできます。
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