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京都の食 春編
京都の食文化を、さまざまな角度から紹介します。

「ジュヴァンセル祇園店」
あったか抹茶チョコレートにくぐらせた、
ひんやりフルーツや和洋のスイーツで、暑気払い。
京都市東山区八坂鳥居前南入清井町482京ばんビル2F
TEL(075)551-1511
営業時間:10:30〜18:00
定休日:無休
http://www.jouvencelle.jp
八坂神社の鳥居を南に下がってすぐのビルの2階にある「ジュヴァンセル 祇園店」。かわいい暖簾が目印のお店は、四条通の喧噪からは想像できない、ゆったりと時が流れる落ち着いた風情のなかにあります。祇園祭でにぎわう京都の夏、ちょっぴり趣の違った涼を味わってみませんか。
白いお重のなかは和洋スイーツと
フルーツのコラボレーション
「抹茶チョコレートホンデュをご注文されたお客様の多くは、蓋を開けたらまず、写真を撮られますね」と、おっしゃるのは店長の竹本さん。そんな楽しげなお客様の様子がとても嬉しいとも。
可愛い植物があしらわれた白い陶器の2段のお重。1段目は白玉の串団子、桜の塩漬けを求肥(ぎゅうひ・白玉粉と砂糖でできた餅)で巻いた和菓子、栗の渋皮煮、抹茶のパウンドケーキ、マドレーヌ、洋酒を効かせて木の実を散らしたプロムケーキ。和洋のスイーツが少量づつ、品数多く盛り付けられています。2段目には、黄桃、バナナ、金柑の甘露煮、いちご、寒天、サツマイモの甘煮。フルーツが盛りだくさんの内容です。季節が移れば、1段目のケーキが小豆のケーキに、2段目のフルーツが、マスカットや巨峰にというふうに旬のものに替えられるのだそうです。
蓋を開けたときの驚きを写真に留めておきたい気持ちに、思わずうなずいてしまいました。 
フルーツの甘酸っぱさや、和菓子の甘さに
抹茶チョコレートはマッチする!
もちろん一つひとつが、そのままでもおいしくいただけるもの。これに抹茶チョコレートのソースがプラスされると、どのような味わいになるのでしょうか。期待が高まります。まず最初にいちごを抹茶チョコレートソースにつけていただいてみることに。抹茶チョコレートの風味が口のなかに広がって、そのあといちごの酸味が爽やかなのにはちょっと驚きます。抹茶チョコレートの濃厚な味がすべての味を決めてしまうのではと予想したのですが、新鮮な味わいに予想は見事に外れてしまいました。バナナやケーキ類の相性の良さはもちろん、金柑や黄桃など酸味ともマッチしていて、とてもおいしくいただけました。
ジリジリと暑い日差しの京都観光のプランに、涼やかな店内でほの温かい抹茶チョコレートのフォンデュを味わう贅沢を加えてみてはいかがでしょうか。 
「魚市」
濃厚な白身の旨みと、みごと施された職人の包丁技
京の夏に欠かせない「ハモ」料理をぜひ
京都市東山区今熊野椥ノ森町25(新熊野神社南)
TEL (075)561-2837
営業時間:10:00-19:00(入店まで)
定休日:木曜日
http://www.uoichi.ecnet.jp/
JR奈良線と京阪電車が交わる東福寺駅界隈は、京都の観光地のなかでも庶民的な下町の情緒が漂うところです。泉涌寺近く、東大路通りに面した今熊野商店街の一角、ハモ料理の専門店「魚市」でハモの味わいに触れました。
京都の夏を代表する食材、「ハモ」
京都では祇園祭が「ハモ祭」といわれるくらい、ハモは身近な夏の食材です。梅雨のころになると、鮮魚店やスーパーに下ごしらえをして湯引きされたハモが並びます。ハモが水揚げされるのは瀬戸内海や九州だそうですが、そのハモがなぜ関西、京都の夏の食材なのでしょうか。早速うかがいました。
ハモがとれる瀬戸内地方では、小骨はそのままで輪切りにし鍋料理などで食べられていたそうです。あっさりとした白身は滋味に富んでいておいしいのですが、小骨がさわってとても食べづらいものでした。また、ハモはとても生命力の強い魚で、夏、生きたまま運搬することができました。鮮魚が食べられなかった京の人々にはとても貴重な存在であったようです。ですから公家や武家たちに好まれ、また技を競い合う料理職人の試行錯誤、そして小骨をシャキシャキと切ることのできる包丁の発達などが相まって、さらにハモをおいしく食べる調理法が発達し、京で親しまれるようになったのです。
ハモ落としの新たな味わいを堪能する
細かな包丁目を入れた新鮮なハモを熱湯に入れる(落とす)と皮が縮み、透明な身が白くふわーっと広がります。それはまるで白い花が咲いたような美しさ。素早くその身を氷水にとり、きゅっと身をしめたのが「はも落とし(湯引き)」です。梅肉や酢味噌で食べることの多い料理ですが、ここ魚市では二杯酢にわさびが添えられています。できたてのハモ落としを二杯酢でいただくと、口の中で身がとろっと溶けそうな感触。無数の小骨なんて全く感じません。そして、二杯酢のほうが梅肉よりもハモ本来の甘みを引きだしているように感じ、後口もさわやかです。
ハモ落としと一緒にいただいたのは、「今熊野弁当」。出し巻き、焼きハモ、よもぎ麩の田楽、八幡巻き、酢れんこん、自家製のがんもどき、季節の野菜のゴマ和え、ふきの炊いたん、あなごの酢の物、タケノコの炊いたん、紅葉麩、ハモの子の卵とじ、数多くのおばんざいが詰まったお弁当です。自家製の味わい深いお漬け物とごはん、汁物がセットされています。
新鮮で良質なタンパク質と小骨のカルシウムもたっぷり摂ることのできるハモは、おいしさだけでなく栄養価も高い優れた食材。
関西以外の方にはなかなか馴染みがないですが、京都の夏の料理に欠かすことのできないハモ料理です。
今熊野商店街に足を運んで、二杯酢とわさびで食べるハモ落としをぜひご賞味ください。きっとハモのおいしさに驚かれることでしょう。
お店の奥にはハモの写真が。
よく見ると、なんとレントゲン写真です。うっすら霞んだような細い線が小骨。こんなに小骨があるなんて! その小骨を口にあたらないように細かく包丁を入れる「骨切り」を施すのです。シャキシャキ、シャキシャキ、リズミカルな骨きりの音が聞こえるよう。ハモのレントゲン写真を撮ろうと思いついたご主人、それを受けて撮影したお医者さま。その時の様子を想像すると愉しくなります。無添加で安心のハモ料理を大勢の人に味わってもらって、そのおいしさに触れて欲しいというハモへの情熱と楽しい遊び心が、お料理を待つひととき盛り上げてくれます。
ハモのレントゲン写真
手作りのおいしいお総菜を持ち帰り
大阪寿司(ハモや魚の箱寿司)、焼きハモ、ぬた、そしてふんわり柔らかい何層にも焼かれた出し巻きや、職人技が必要なハモを使った料理は家庭では真似のできないものなど、お総菜がずらりと店頭に並び、気軽にテイクアウトできます。 午前中から近所の人たちが訪れ買い求める人気のお総菜です。
 
 
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