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京都の食 春編
京都の食文化を、さまざまな角度から紹介します。

「はんなりかふぇ 憩和井」
源氏物語 宇治十帖の舞台で
甘味を味わい千年のかなたを想う
宇治市宇治蓮華5-6
TEL (0774)23-0050
営業時間:平日/11:00〜18:00 土日祝/10:30〜18:30
※閉店時間は10月より30分繰り上がります。
定休日:不定休
URL:http://cafeiwai.exblog.jp/
折しも今年は源氏物語が歴史に登場して千年目にあたる記念すべき年。京都ではさまざまな趣向を凝らして「千年紀」の催しが行われています。宇治の平等院表参道で店を構える「はんなりかふぇ 憩和井」には千年紀にちなんだ「源氏パフェ」があると聞き、その味わいを訪ねました。
昔ながらの製法、本地釜仕上の飴と、
お客さまの笑顔を結ぶショップを
宇治川に架かる宇治橋の西詰から平等院にむかう平等院表参道は、古くは創業が室町時代のお店など、老舗のお茶屋や甘味処、茶そば屋などが軒を連ねる、風情ある石畳の商店街です。その表参道を入ってほどなく「はんなりかふぇ 憩和井」はあります。このお店をプロデュースしているのは、宇治・三室戸で昔ながらの地釜を使って手作りの飴を作る岩井製菓。京都市内の飴屋で修行を積んだ先代が、東京オリンピックの年に創業したそうです。工場の周りはいつもあまい香りが漂い、その香りに誘われてふらりと飴を求めに観光客の方が訪れます。ただ、たくさんの飴を作る工場でも、常時小売りに応えられるような準備はなかなか間に合いません。そこで、気軽に立ち寄って飴を購入していただけるお店をと、2007年3月この平等院表参道にオープンさせたのだそうです。豊富な種類の京飴を揃えると同時に、店内で茶そばやうどんなどの軽食や、和のスイーツ、ドリンクも楽しめるカフェタイプのお店です。
揺れる乙女心を器にうつした「源氏パフェ」
源氏物語全編五十四帖のうち最後の十帖は、宇治を舞台に綴られているので「宇治十帖」と呼ばれています。ヒロインである浮舟と浮舟に心奪われた2人の男性、薫と匂宮の悲しい恋物語です。
この宇治十帖にちなんだメニューがはんなりかふぇ 憩和井の「源氏パフェ」です。浮舟をイメージした舟形の器に紫いもの果肉を混ぜ込んだアイスクリームと宇治の抹茶をたぷっり使ったアイスクリームが盛られています。2種類のアイスクリームだけでも贅沢ですが、抹茶ババロアと紫いもパウダーをトッピングした生クリームにあんこと白玉、栗の甘露煮が彩りを添えています。それぞれに個性的で濃厚な紫いもと抹茶のアイスクリームの食べくらべは、2人の貴公子のはざまで迷い悩む浮舟の心の揺れに重ねているのだとか。
ほかにもミニパフェとミニわらびもちがセットされた「東屋(あづまや)セット」787円、あんこと抹茶アイスクリーム・抹茶ケーキ・マンゴープリン・わらびもちがワンプレートで楽しめる、盛りだくさんな「浮舟プレート」997円、抹茶ロールケーキと飲み物がセットになった「夢浮橋セット」787円と、宇治十帖にちなんだネーミングがユニークなメニューが揃っています。 
はんなりかふぇ 憩和井の周辺には宇治十帖の舞台になぞって、古跡・モニュメント・歌碑などがあります。雄大な宇治川の流れや秋へと移りゆく宇治の自然を堪能しながら、源氏物語の世界にタイムスリップするにはぴったりの季節です。そして、散策の休憩に、はんなりかふぇ 憩和井の源氏パフェで浮舟の気分に浸ってみるのはいかがでしょうか。
京・上賀茂 萬川
上賀茂の旧家を改装した空間で
晩夏から初秋の実りを堪能する贅沢
京都市北区上賀茂菖蒲園町56-3
TEL (075)781-6551
営業時間:12:00〜14:00/17:00〜23:30(ラストオーダー)
定休日:木曜(祝日、祝前日の場合営業)
ランチの営業は不定休
http://www.mankawa.jp/index.html
ここ京都・上賀茂周辺では、今も土地でとれた新鮮な野菜を売り歩く「振売り」から野菜を買う姿が見受けられます。新鮮で作り手の気持ちが伝わる振売りは、手軽で安心で豊かで、そして大切なコミュニケーションの場でもあるようです。上賀茂の人たちが振売りの文化で旬の野菜の味わいを楽しんできたように、気軽に旬の京野菜を楽しめる場を提供したいと、1990年「京・上賀茂 萬川」がオープンしました。
京の秋なすを食べくらべる
晩夏から初秋に出回るなすは、独り占めしたくなるほどの美味しさ。ただ、なすとひと口にいっても、「賀茂なす」「千両なす」「山科なす」「水なす」など、たくさんの種類があり、味わいもそれぞれに違いがあるそうです。今回紹介するのは、賀茂なすと山科なすをチョイスした「京の茄子食べくらべ」のランチメニューです。
上賀茂の名産、賀茂なすは果肉がしっかりして、加熱しても形が崩れにくいのが特徴です。白味噌をベースにしたゆず風味の田楽でいただきます。さわやかなゆずの香りと濃厚な白味噌が独特の食感の果肉と絡まって、とても美味! 山科なすは揚出しで。山科なすは、あまり耳馴染みのない名前です。7、8年ほど前にいったんは途絶えかけた品種なのだそうですが、生産者の方々の努力により再び出回るようになったのだとか。まだ生産数が少なく、スーパーなどの店頭に並ぶほどではありませんが、京都のおばあちゃんたちが「どぼ漬け(ぬか漬け)にするならやっぱり山科なすやないとなぁ」というほど、かつては一般的な品種だったようです。泉州の水なすに近い、ジューシーな果肉です。揚出しは、お出汁と薬味のしょうが、たっぷり添えられた糸のり、それぞれの香りが重なり合って食欲が刺激されます。あつあつをいただくと、お出汁となすのうま味が口いっぱいに広がります。鉢にはられたお出汁も全部おいしくいただきました。
なすは種類によって食感や味わいが違い、それぞれに適した調理法があって、とても個性的であることに驚きました。
一期一会に心を込めて
京・上賀茂萬川は、地下鉄烏丸線 北山駅からバスで6分ほどのところ。住宅街に点在する京野菜の畑を眺めながら徒歩でゆくのも一興です。「いらっしゃいませ」の声とともに、熱いおしぼりとほうじ茶が運ばれ、弾んだ息を整えてくれるような落ち着きを覚えます。
お店のテーマは「なごみ」。美味しい新鮮な京野菜を食べて、ほっこりなごんでもらいたいという思いだけではないようです。生産者と料理人、またサービスする人、そしてお客さま、その関係がもっと身近になるようにと願いながら、生産者の顔が見える、旬の到来を告げるメニュー作り、ホームページの情報発信などに工夫をこらします。オリジナルドリンクのネーミングを募集したり、ブログでマスターの思いをのぞかせたり…。京・上賀茂 萬川は、食をとおして贅沢ななごみを紡ぎ続けているようです。
個性的なオリジナルドリンク
お酒が飲めない方には、デトックス(体内毒素排出)効果が期待できるオススメなドリンクがあります。冷えた体を温めてくれるしょうが湯、ゆずはちみつ。果物のお酢を口当たりよくアレンジした、その名もデットク酢シリーズや、旬の果物などとの出合いが楽しみなデットクス豆乳シリーズです。今回紹介したお料理にセットされている「白みそ仕立ての豆乳」もスープというより、箸休めのように味わう冷たいデットクスドリンク。白味噌のまるみのある甘さとちょっとクセのある豆乳の風味が出逢って、新しい味わい 。ふわふわとした口当たりも意外な驚きがあります。「豆乳は少し苦手」という方にもぜひ一度味わっていただきたい一品です。
京の茄子食べくらべ 2100円
手前から右回りに、万願寺とうがらしの炙り、かつお添え・切干し大根の煮物、伏見とうがらしとじゃこの炒め煮、小いもの煮物の盛合わせ・水菜のサラダ(トッピングはピンクペッパー)・山科なすの揚出し・十五穀米のご飯・おつけ物・白味噌仕立ての豆乳(トッピングはパプリカ)・中央に賀茂なすの田楽。このメニューは10月中旬くらいまでの予定です。山科なすの仕入れ具合によって変動しますので、ホームページやお電話でご確認ください。ご予約もお電話でどうぞ! 十五穀米にはそばが入っていますので、アレルギーのある方はあらかじめお知らせください。
白みそ仕立ての豆乳
萬川オリジナル純米吟醸 京都 和(なごみ)をはじめ、ほかにもたくさんの種類の地酒、焼酎があります。
 
 
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