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京都の食 春編
京都の食文化を、さまざまな角度から紹介します。

キンシ正宗堀野記念館 堺町ほっこり
〜酒造りの水と蔵が育んだ  地ビールを京町家で楽しむ〜
京都市中京区堺町二条上ル亀屋町172
TEL(075)223-2072
営業時間:AM11:00〜PM9:00(記念館はPM5:00まで)
休館日:毎月曜日(祝日の場合は翌日に振替)、お盆・年末年始
予約:不要
http://www.kinshimasamune.com/kinenkan.html
京都御所の南、大通りから一歩入っただけとは思えないほど古き良き京都の趣を残す堺町通り沿いに、日本酒の老舗メーカー「キンシ正宗」の創業者・堀野家の旧邸宅はあります。創業の天明元年(1781)から明治13年(1880)まで酒造りがおこなわれていたこの建物は、京都市の有形文化財。現在は京町家とキンシ正宗の酒造りを紹介する「堀野記念館」として一般公開されており、館内のビアホール「堺町ほっこり」では記念館に隣接したキンシ正宗のブリュワリー(ビール醸造所)で製造された地ビール「京都町家麦酒」を味わうことができます。
洛中の銘水「桃乃井」の水を使用したこだわりの地ビール造り  
キンシ正宗では、堀野邸の中庭にこんこんと湧く「桃乃井」の水を創業時から酒造りに利用してきました。この桃乃井は、京都の茶の湯や食文化を支えてきた「洛中三名水」のひとつに数えられる「染井」と同じ水脈のもの。京都町家麦酒は、現在も変わらず湧き続ける歴史的な銘水を使って醸造されています。桃乃井の水はクセのない軟水のため、京都町家麦酒も淡白な味つけの京料理や湯葉、豆腐、漬け物といった繊細な京都の味覚に良く合うあっさりとした味わいが大きな特長です。
また、江戸時代に建てられた酒蔵を改装したブリュワリーでは壁や梁の上に古くから住み着いている日本酒の酵母菌が影響を及ぼし、まろやかな風味のビールに仕上がるそうです。日本酒作りに必要なのは「良い米、良い水、良い蔵」だといわれていますが、水にこだわり、醸造の場所にこだわって造った京都町家麦酒は、まさに日本酒造りの伝統が活かされた地ビール。日本酒メーカーならではの酒造りに対する愛情と情熱がいっぱいにつまった一品なのです。
蔵出しで味わう京都町家麦酒はテイストが異なる3種類
京都町家麦酒には3種類の味が揃っています。すっきりとした味わいがどんな料理にも合う「京都 町家麦酒 かるおすタイプ」は、ドイツビールでいうケルシュタイプ。苦みのなかにも爽やかさがあり、フルーティーな香りが魅力です。「京都 花街麦酒 まったりタイプ」は、程良くローストした麦芽を加えるため、コクのある深みが特長。赤銅色のアルトタイプで、ビールのうまみをじっくりと味わいたい方にオススメです。ビターテイスト際立つ「京都 平安麦酒 黒ビール」は大人の味わい。とはいえ一般的な黒ビールに比べるとややあっさりとしているので、黒ビールが苦手な方も親しみやすい風味です。
この京都町家麦酒を楽しめるビアホール「堺町ほっこり」は、江戸時代の酒蔵を改装した空間です。京都の言葉で「落ち着く」という意味の言葉「ほっこり」が店名にもなっているとおり、蔵のイメージを残したシックな雰囲気の店内では、3種類のビールをグラス(各630円・税込)でいただくことができます。もちろん蔵出しのものなので、フレッシュな味わいは格別です! さらに京風おばんざいの盛り合わせや京漬け物をはじめとする各種一品料理など京都町家麦酒に合うお食事も充実。ビールと一緒に楽しめば、どんどんグラスがすすんでしまいそうです。もちろんキンシ正宗自慢の日本酒も各種揃っているので、京都の水が育んだ味わいを飲み比べてみるのもいいかもしれませんね。
京都町家麦酒は瓶づめのもの(1000ml 各2,100円・税込、330ml 各525円・税込)も販売しています。春の京都にお立ち寄りの際は町家で味わうもよし、お土産にするもよしの京都町家麦酒を、ぜひお楽しみください。

※堀野記念館の内部見学は、大人300円、学生200円(観光ガイドつき)。京都町家麦酒2種類と日本酒3種類の試飲がついています(売店及びビアホールのみをご利用される場合は入館料不要です)。

堀野記念館入り口の販売コーナーでは、京都・水尾のゆずをブレンドした焼酎「柚風(yu-fu)」(爽やかな酸味の「すっぱおす」タイプと軽やかな甘みの「あまおす」タイプの2種類 各500ml 2100円・税込)や、京都産の原材料にこだわって造った日本酒「小倉百人一首」(720ml 1575円・税込)など、ビール以外の商品も揃っています。
京料理 魚三楼
〜幕末の歴史が息づく町・伏見で  銘水に育まれた京料理を味わう〜
京都市伏見区京町3丁目187
TEL(075)601-0061
営業時間:AM11:00〜PM7:30(ラストオーダー)
定休日:なし(年末年始)
予約:要予約
http://www.uosaburo.com/
「魚三楼」がのれんを構えるのは、古い建物が残り、伏見のなかでも特に歴史の香りを感じさせる京町通り沿い。江戸時代、この付近には伏見奉行所が置かれ、幕末の「鳥羽・伏見の戦い」の際には戦いの舞台にもなりました。幕府軍と官軍が戦った当時の弾痕を格子戸に残す「魚三楼」は、まさに伏見の歴史とともに歩んできた老舗です。
少人数から団体まで対応の1階のお座敷では、お庭を眺めながらゆっくりくつろげます。
料理には敷地内で汲み出した伏見の銘水を使用
かつては「伏水」という字を書くこともあった京都・伏見は、酒造りで有名なことからもわかるとおり随所に銘水の湧きだす水の豊かな土地です。また江戸時代には京と大坂を結ぶ淀川の水運の港として栄え、各地の産物や遠く瀬戸内の魚を新鮮な状態で手に入れることができる絶好の場所でもありました。良い水と多彩な食材に恵まれた伏見の地で、「魚三楼」は明和元(1764)年に創業しました。初代・三郎兵衛が讃岐(現在の香川県)出身であったので江戸時代は「讃岐屋」という屋号を名乗っていましたが、明治時代初期に現在の「魚三楼」になりました。
「魚三楼」の味の特色は、何と言っても邸内に湧き出す伏見の銘水を使用していることにあります。全国にその名を響かせる伏見の酒造りに使われているのと同じ水脈から汲み上げた銘水は、まろやかな軟水。この水に最高級の昆布とかつお節、また惜しまぬ手間をたっぷり加えると、淡泊な中にもしっかりとしたコクと香りを感じることができる極上のお出汁が完成します。「魚三楼」のお料理はいずれもこの特製のお出汁を使用しているため、味わいはあっさりしながらも、口のなかには豊潤な余韻が残ります。
春の華やぎを感じられる彩り豊かな食材が満載
右の写真のお料理は、本格的な京料理のコースを手軽に味わうことができる「季節膳(伏見)」(7,350円・税込 サービス料別)です。彩りも華やかな「前菜」は、可愛らしい桜の形の器に盛りつけられた竹の子の木の芽和えをはじめ、飯蛸の煮付けや白魚の和え物、鯛をご飯と桜の葉で巻いた桜寿司など、春らしい食材を使ったお料理が品良く並んでいます。そして「吸い物」では、海老と白身魚のすり身を使った桜色のしんじょうが春らしさを演出。お造りは「魚三楼」が代々看板として提供している新鮮な鯛にまぐろです。「煮物」は春ならではの山の幸・竹の子と早春の磯の風情漂う海の幸・若芽を炊き合わせた一品。山と海の味覚を同時に味わうことができるなんて、とても贅沢ですね。甘鯛を道明寺粉と桜の葉で包んで蒸し上げ、だしを本葛で閉じて作った銀あんをかけた「蒸し物」は、蓋を取るとふわりと桜の香りが・・・。お椀の向こうに春爛漫の桜景色を見るようです。さらに海老のかき餅揚げを中心とした「油物」と、季節ご飯、最後に水菓子(フルーツ)がついてこのコースは締めくくられます。
もっと気軽に京料理を楽しみたい方には、平日のみのお昼膳「花籠御膳」(4200円〜・税込 サービス料別)もおすすめです。

春の伏見は、お花見のお供にぴったりのおいしいお酒を探しに出かけるには絶好の季節。酒蔵巡りの散策の折には、日本酒とともに伏見の銘水が育んだとっておきの味わい「魚三楼」のお料理をぜひご堪能ください。

 
 
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