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京都の食 秋編
京都の食文化を、さまざまな角度から紹介します。

豆皿懐石 汁る碗 豆寅
〜石畳に秋風がそよぐ、京都東山祇園町  色とりどりの豆皿料理を愛で、秋を味わう〜
京都市東山区祇園町南側570-127
TEL(075)532-3955
営業時間:昼11:30〜14:00(ラストオーダー)
夜17:00〜21:00(ラストオーダー)
定休日:無休
ウェブサイト
祇園祭のお囃子と熱気で賑わった祇園町もすっかり秋の気配。青く済んだ空にくっきり東山が映えて訪れた人々の心を和ませているようです。その祇園町、四条通りから花見小路を3筋下がり、東に入ったところに暖簾をかまえる「豆寅」を訪ねました。
坪庭を眺めながら、しっとりと過ごすランチタイム
もとは旅館であった築100年の町屋を改装し3年前にオープンした豆寅。若い方から年輩の方、とくにご夫婦に人気があるお店のようです。履き物を脱いで店内に通されると、まず目に飛び込んでくるのは、やさしい自然の光。奥にしつらえられた坪庭からの光です。店内の少し控えめな照明と、この自然の光が空間の雰囲気をぐっと落ち着いたものにしているようです。この坪庭を正面にできるカウンター席が好評で、予約の際に希望される方も多いのだそう。実りの秋の食材で丹精込めて作られたお料理と坪庭の眺めは、癒しの効果が満点です。お料理に舌鼓を打ちながら、日々の喧噪を忘れ、大切な人と過ごす…。そんな贅沢なランチタイムを過ごされてはいかがでしょうか。
懐石料理の新スタイル、豆皿膳。豊富な種類に大満足
京都では、手塩皿のことを豆皿と呼ぶそうです。この豆皿に旬の食材で作ったお料理が盛られます。少しずつたくさんの種類のお料理を召し上がっていただきたい、また、舞妓さんのおちょぼ口でも、綺麗においしく召し上がれるようにという心遣いから生まれたのが豆皿膳です。これなら美しくスマートに食べることができますね。
八寸には、中央に豆腐、鮎のウルカ(塩から)、銀杏の塩炒り、柿の白酢かけ、菊菜のお浸し、大徳寺麩と、京都の食材を使ったお料理が並びます。さらに、旬の食材をふんだんに使った料理が豆皿に8種類と、ご飯に汁物と続き、最後はデザートのわらび餅が締めくくります。 少しづつとはいえ、30種類以上にもなる食材で作られているお料理はボリュームたっぷり。雰囲気も味も食欲も大満足の豆皿膳です。
豆皿という新しい切り口に、京都の伝統的な料理と祇園の町屋を組み合わせた新しいスタイル。女将のもてなしのさりげない心遣いが光ります。
豆すし膳 3,800円(税込・ランチタイム)
豆皿膳同様、八寸に15種類の豆すしのコースです。丁寧な職人の技が光る色とりどりのおすしはまさに宝石のよう。食通の舌だけでなく、目も満足するお料理です。
小ぶりの皿(器)を 豆皿(手塩皿とも)と呼びます。可愛らしい器に少量を品数豊富に盛りつけます。
デザートのわらび餅
お料理の最後を締めくくるのがこのわらび餅です。食事の余韻を壊さない、ひんやり、あっさりとした口当たりです。お酒を召し上がる方にももちろん甘党の方にも好評で、お土産に持ち帰りたいと希望される方も多いのだとか。一つひとつお店で手作りしているので、お土産をご希望の場合は、あらかじめ予約をしておくと安心です。
お土産用 3個 1000円
通圓茶屋
〜秋色の景色をうつす宇治川畔で、  悠久の歴史とロマンに浸りながら、  抹茶のデザートに憩う〜
宇治市宇治東内1番地 宇治橋東詰
TEL(0774)21-2243
営業時間:AM9:30〜PM 5:30
定休日:無休
http://www.tsuentea.com/
宇治の玄関口、京阪宇治駅前のちょうど宇治川にかかる宇治橋の東詰にあたる場所に、平安末期、永暦元年(西暦1160年)創業の通圓茶屋はあります。茶どころ宇治の名だたるお茶屋さんのなかで、いちばんの老舗という通圓の歴史と茶房のオススメデザートを紹介します。
宇治橋のたもとで、お茶の文化と伝統を守り続けて850年
創業者は源頼政の家臣・古川右内(ふるかわ うない)という武士が隠居の際、頼政の「政」の一字を賜って「太敬庵通圓政久(たいけいあんつうえんまさひさ)」と名乗り、宇治橋東詰に庵(いおり)を結んだと伝えられています。その後、代々通圓の姓を名乗り、宇治橋の橋守(守護職)として橋の長久祈願と旅人の無病息災を願い、往来する人々に茶をふるまうようになったそうです。また、秀吉の時代にあっては、伏見城中での茶会に、当時「天下の名水」の誉れ高い宇治川の水を茶の湯の水に用いるよう命じられ、10代通圓・11代通圓が宇治川の水を汲み上げ伏見城に献納しています。現在では「名水汲み上げの儀」として、毎年10月第1日曜日の「宇治茶まつり」に古式ゆかしく執り行われています。
このように通圓の歴史をひもとくと、源頼政に始まり、一休和尚、足利義政、豊臣秀吉、徳川家康など歴史上の有名な人物がこの茶屋で茶を楽しんでいることがわかります。お茶の伝統と文化を守り続けている、 850年という長い歴史の重みを感じずにはおれません。
微笑がこぼれる抹茶ぜんざいの味わい
通圓茶屋の茶房では抹茶デザートや茶そばなど、挽きたてのお茶を使った、香り豊かなメニューが揃っています。なかでもオススメなのは抹茶ぜんざい。今回紹介するのは、茶団子が添えられた「さわらびセット」です。
抹茶ぜんざいは、温めた丹波大納言のあんと白玉を入れた器に、点てたお抹茶を注いで作ります。とろり濃厚なおなじみのぜんざいとは違う、新鮮な味わいが印象的です。ふわっと抹茶の香りが立ちのぼり、さらりとした口あたりに抹茶の苦みが後口をさわやかにします。人肌に温められたあずきあんを崩しながらいただくと、上品な甘みが抹茶の風味に溶け合って、おいしさが一段と膨らみます。そしてセットになっている宇治の名物の茶団子。ひとくちに茶団子といってもお店ごとに自慢の味わいがあり、ここ通圓の茶団子は甘さを抑えた餅の独特の食感と抹茶の香りが引き立つ味わいです。
江戸時代、宇治川周辺に広がる名勝・古跡・寺社や名産などを紹介した案内書である「宇治川両岸一覧」より。通圓茶屋店先を往来する人々の様子や、茶屋で一服する様子が描かれています。
平安時代末期から、お茶やお菓子で京の都や大和路を往来する人々の憩いの場となってきた通圓茶屋。茶房から望む山紫水明もまた、いにしえより人々の心を和ませてきたことでしょう。宇治散策の際には850年の歴史に想いを馳せながら、抹茶ぜんざいを味わってみてはいかがでしょうか。

さわらびセット(抹茶ぜんざいと茶だんご) 840円
各種抹茶のデザートのほかに、ざる茶そば、にしん茶そばなどもあります。
※抹茶ぜんざい単品(680円)でもご注文いただけます。

 
 
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