京都市役所の北側を東西に延びる二条通りは、昔ながらの町家が残るたたずまいで、通りの両側には古い商店やお洒落な雑貨屋、カフェなどが並びます。ちょうど柳馬場通りが交差するところの北東側に、屋根には煙突、入り口には生命力に溢れたバナナの木が印象的なCafe' Bibliotic Hello!があります。
カフェの入り口にはバナナの木! 底冷えする冬の京都とは真逆のイメージでしたが、「冬寒い京都だからこそ、憧れの南国の象徴<バナナ>なんです」とオーナーの小山さん。いえいえバナナだけではありません。綺麗に磨かれた入り口のガラス製の大きなドア、開放感あふれる吹き抜けの高い天井…と、もともと町家にはないものばかりです。けれど何だかとても調和していて、自然で新しい感覚です。
まず、壁一面の大きな本棚が目に付きました。「図書館で本を読みながらコーヒーが飲めたらいいのにな」と感じたことが、このお店のコンセプトのひとつになり、呉服店だった築100年の町家を改装する際、吹き抜けの壁面を本棚にして、文字だけでないビジュアルを重視した専門書や雑誌などを中心に1000冊もの本を置くことにしたそうです。クリエイターの人たちにも見応えのある蔵書だそうです。
そして店内には使い込まれたアンティークのテーブルや座り心地のいい椅子やソファーが配置されています。それぞれにデザインが違っていてユニークです。
入り口のある南側は全面ガラスなので、昼間は柔らかな陽の光がたっぷりと差し込んできます。傍らにある薪ストーブに火が入ると、じんわりと暖めらた空気とチロチロと燃える薪の火に何だか心が安まります。
オーナーのこだわりの空間=カフェへの思いがたくさん詰まったCafe' Bibliotic Hello!ですから、その心地よさに惹かれ、若者や観光客の方だけでなく、近所のおじいちゃん、おばあちゃんや子ども連れの方もよく来店されるそうです。大勢の人たちに親しまれている「図書館のようなカフェ」にぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

お店の蔵書にもある「昭和天皇のお食事」という本の中に出てくるレシピを参考に、Cafe' Bibliotic Hello!のエッセンスをプラスしたメニューが焼きりんごのチーズソース。 寒い冬には欠かせないデザートです。シナモンの香りと紅玉りんごの甘酸っぱさに、チーズソースがとてもよく合います。ハーゲンダッツのアイスクリームを添えたものもあります(850円)。ミルクティーはストレートでもほのかに甘さを感じるスイートタイプの茶葉を使っています。スチームミルクをたっぷり注いでお飲みください。
京都祇園の大和大路を下がり(南に)、建仁寺西門を過ぎたところにあるのが大正10年創業の鍵甚良房。そこには四季折々の素材、色、香りに対応して生み出される和菓子職人の繊細な技と心がありました。
「えびす焼」が店頭で焼かれるのは、10月19日、20日の二十日えびす祭典と1月8日〜11日の十日えびす祭典。年に2回のこの期間だけです。3代目店主・太田和雄さんとそのお父さま太田太一さん(83歳)の2人で、朝の9時ごろから夜11時まで、1日になんと2000〜3000個をただひたすら焼きます。この期間の販売は親戚の方にも手伝ってもらって大忙しだそうです。
「えびす焼」は、薄く焼いたカステラ生地の中に粒あんを入れて、両端を手でつまんで耳のような形にして、えびす様の顔の焼印を押したもの、1個150円です。あまりの忙しさに焼き印が追いつかないこともあるそうです。売り出しの期間中は行列になるほどの人気なのだとか。愛嬌のあるえびす様の焼印をつけた「えびす焼」をぜひ食べてみたいものです。お正月、一年の幸運祈願に京都えびす神社を参拝し、「えびす焼」に出会うチャンスを掴んでみてはいかがでしょうか。

<亥の子餅>とは、いのししを模した和菓子です。奈良県産の堅くて甘い富有柿、愛知県産の大粒のぎんなん、愛媛産の栗を羽二重餅に包んでいます。羽二重餅に練り込まれている黒ごまの粒が、柿や栗の甘さに香ばしさを加えて美味しさを引き立たせています。驚いたことに柿は「生」です。水分を含んだものを中に入れると皮の羽二重餅がべたつくので、干し柿を使うことが多いそうなのですが、企業秘密の工夫を凝らして作られているそう。
材料に使う、柿、ぎんなん、栗は吟味して揃えているので、10月から12月の初め頃にしか作れないそうです。日持ちは短いですが、全国発送も可能とのこと(ファックスで受付)。
年が明けると和菓子もお抹茶の初釜に用いられる花びら餅、そして鶯餅から桜餅と彩りを変えて店頭に並びます。「その季節にしか食べることのできない食材」そのものが少なくなってしまった昨今ですが、私たちはお茶を喫する文化を通して、様々な装いを見せる季節を和菓子を大切にしてきたのですね。「旬のものを楽しみに待ち、味わう」という落ち着いていて豊かな感性を日々のお茶の時間で磨きたいものです。











