株式会社宇治田原製茶場 月刊 茶の間
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月刊『茶の間』最新号のご紹介

文化・芸事が華開いた
浪漫の地 京・島原

300年以上の歴史を持つ、京都最古の花街、島原。文化的意識の非常に高いこの街には、江戸時代中期、俳諧をたしなむ風流人が集い、島原俳壇が形成されていたほど。その中核を成したのが、こちらも300年以上続く揚屋(あげや)の『角屋(すみや)』です。江戸末期には、西郷隆盛や桂小五郎、坂本龍馬などの名だたる志士たちも訪れたというその建物は現存し、華やかなりし当時を今に伝えています。『角屋』を中心に、地元の美味処とともに、島原の街を散策してみました。

饗すを業とする也。
京のおもてなしの心、その原点、ここにあり。

葡萄茶色(えびちゃいろ)の暖簾に染め抜かれた三ッ蔦の家紋。その昔、数多くの賓客を出迎えたであろう由緒ある暖簾は、300年以上の歴史を誇る京都・島原の揚屋『角屋』の表門を入ったところに今もかかっています。現在、表門は閉ざされていますが、当時は一帯に明かりが灯り、多くの人々が出入りし、どんなに美しく華やいでいたかが偲ばれます。
京都には、現在、祇園甲部(ぎおんこうぶ)をはじめ5つの花街(かがい)がありますが、実は花街は6つありました。それが最も歴史が古く、由緒ある島原です。
島原は江戸期以来の公許(こうきょ*公にお上より許可を得ている)花街として発展してきました。
花街とは歌や舞、茶会などが催され、芸事とともに饗宴を楽しむ場所を指します。一方、江戸の吉原のような遊廓は、歌や舞はもちろん、宴会もせず、歓楽のみの街でした。
「よく島原と吉原、あるいは太夫(たゆう)と花魁(おいらん)を混同される方が多いのですが、その成り立ちも目的も全く異なるものなのです。太夫は傾城(けいせい)といって、芸妓(げいこ)の最高位の女性を指し、舞や音曲(おんぎょく)、お茶、お花、和歌、俳諧などの教養を身につけて遊宴の場で接待をしていました。花魁は芸事は身につけず、芸も一切披露しません。街も、そこで働く人も、全く本質の異なるものであることをもっと広く、多くの方に知っていだだきたいですね」
そう話すのは、『角屋』を管理している、財団法人角屋保存会理事長の中川清生(きよお)さんです。当時、島原の中心的存在だった揚屋『角屋』は、創業以来、建物と家督を維持・継承しており、現在、国指定重要文化財に指定されています。
島原には、その昔、揚屋と置屋(おきや)がありました。揚屋とは太夫や芸妓をおかず、置屋から太夫や芸妓を呼んで遊宴を行なったところで、江戸時代の書物の中では「饗すを業とする也」と記されています。
内部に入ると、まず大きな台所があり、帳場や江戸期に書かれた饗応(きょうおう)の際の献立帖など、貴重な資料の見学ができます。大座敷に面した広庭に必ずお茶席を配し、大人数の宴席料理を賄うため、大規模な台所を備えていることなどが、揚屋の大きな特長ですが、実際に建物内を見ると、揚屋が現在の料亭にあたる店だったことがよくわかります。

粋と洗練が見事に結実。
芸術・文化が薫る素晴らしき空間

天井を見上げると、一面に扇が舞い散らされたような景色に、はっと息を飲んでしまう…。初めて訪れた人は思わずため息を漏らすほど美しいこちらの部屋は、その名も「扇の間」。58枚の扇面は画家の岸駒(がんく)をはじめ、緒流名家の筆による書や画ばかり。欄間や襖の引手、宴に使われた食器まですべて、扇のモチーフが用いられ、贅の限りを尽くした空間は、圧倒的な存在感で見る者に迫ってきます。
江戸時代の民間最大の宴会場であり、饗応の宴のみならず、お茶会や句会なども盛んに行なわれ、文化サロンとしての役割を果たしていたという揚屋。中でも『角屋』は、一流の文人墨客(ぶんじんぼっかく)はもちろんのこと、幕末の頃には諸大名をはじめ、西郷隆盛や桂小五郎、坂本龍馬、山縣有朋(やまがた ありとも)など勤皇の志士がしばしば饗宴を催したことが伝えられています。
書院造りや数寄屋造りなどの建築様式をはじめ、各座敷のしつらいには書画や蒔絵(まきえ)、象嵌(ぞうがん)など当時の最高峰の美術工芸の技を積極的に取り入れてきました。建物は建て増しを繰り返しつつ、大きくなってきたそうですが、各時代の当主たちが趣向を凝らし、最高のもてなしの場を目指して、創造し続けてきたことに、心揺さぶられる思いがします。
「建築や美術工芸など、その時代ごとの流行や、良いとこ取りをしていたんですね。〝町人をして大名気分にならしめる〟という言葉が残っていますが、まさしく京の町衆の粋と意気を感じます」
この天井の下に、太夫や禿(かむろ)、引舟(ひきぶね)がずらりと並び、雅やかに歌や舞を披露する様を客が楽しむ。ひっそりと静まりかえった座敷で、扇面に囲まれていると、ふとそんな光景が蘇ってきそうです。  

細部にまで宿る美と贅に
京の花街文化の礎を見る

島原はまた、花街という枠を超え、和歌や俳諧の文芸活動が盛んに行なわれた地でもありました。
ことに江戸中期頃、6代、7代の当主は、島原俳壇の中心的な役割を果たしていたことから、角屋は諸国の俳人たちが数多く出入りして、一種の文化サロン的な存在だったこともわかります。
「その影響もあり、数多くの美術工芸品が今に伝えられています。重要文化財である与謝蕪村筆の四曲一隻の屏風『紅白梅図屏風』はもとは襖絵でありました。7代当主の徳野は、蕪村との交友関係からこのような作品を譲り受け、屏風に表装したのでしょう」
現在、これらの美術品は、平成10年にオープンした併設の『角屋もてなしの文化美術館』において、展示・公開されています。
建物自体の文化的価値も非常に高く、座敷ごとに趣向を凝らした独創的なつくりは、まさに贅の極み。たとえば2階の『青貝の間』は、建具や壁、その他いたることろに青貝の螺鈿(らでん)を施した豪奢な造りで、青貝の七宝亀甲文様など、精緻(せいち)な技が生み出した造形は、今なお、きらめくような光を放っています。大きく開けられた変形窓の向こうには露台(テラス)が張り出し、ここは本当に京都? と一瞬、迷ってしまいそうな、異国情緒が色濃く漂っています。
1階の大座敷『松の間』からは、京都市指定名勝のひとつである庭園を一望に眺めることが出来ます。古くから名園として書画の題材にもなってきた枯山水白砂の庭には、緑滴る臥龍松(がりょうのまつ)が枝を大きく伸ばし、その向こうに、曲水亭・清隠斎(せいいんさい)茶席などが配されています。賓客たちは、まずここで一服の茶を愉しみ、それから座敷に上がって、ひとときの宴席を満喫したのでしょう。
どの座敷も、建物内は一様に黒ずんで煤(すす)けています。これは昔の照明が蝋燭(ろうそく)や行灯(あんどん)だったため。お客さまを迎える際、常に明るく照明を灯し続けた結果、油煙で天井や襖が真っ黒に煤けたのだそうです。

島原の 角屋の 塵は なつかしや
元禄の塵 享保の塵

歌人、吉井勇はこのように角屋を讃える歌を残しています。元禄・享保の時代から連綿と繋がり、積み重ねられてきた、一流のおもてなしの心と芸。粋と雅びと洗練を尽くし、島原が育んだ饗応の文化は、世界に名だたる京の花街文化の礎(いしずえ)ともいえるのです。

京・島原 円亭

コラーゲンたっぷり!
味わい深いすっぽん料理に舌鼓

栄養価が高く、美容や健康にもよいといわれ、高級食材として知られるすっぽん。一度は食べてみたいけど、
なかなか食べることができない味わい深いすっぽん料理を堪能できるのが『円亭(まどかてい)』です。
「すっぽんと聞くと、『えっ!?』と顔をしかめる人も多いんですが、コラーゲンもたっぷりで、一度食べたら忘れられない料理になりますよ」とおっしゃるのは、同店の福室(ふくむろ)栄さんです。
肩肉や肝、心臓、腎臓などが楽しめるお造りは臭みやクセがなく、いくらでも食べられてしまうほど。これもすっぽんを知り尽くしたご主人の調理がなせる技です。
そしてメインはお鍋。すっぽんからとったコラーゲンたっぷりの煮こごりが火に掛けられ溶け出すと、かぐわしい香りが一面に広がり、食欲をそそります。まろやかでコクのある濃厚スープと驚くほどやわらかいプリプリの身は、食べ応え抜群で、こんなにおいしいものがあったのか!と唸ってしまいます。お鍋の締めにはラーメンか雑炊を。旨みたっぷりのスープでいただく味わいは感動ものです。
ご主人が腕によりをかけて作るすっぽん料理を味わい尽くしてみてはいかがですか。

京・島原 きんせ旅館

調度品に囲まれながらレトロ空間を満喫

格子の玄関を開き、町家に一歩足を踏み入れると、ステンドグラスやランプなど、洋と和が混在した息を飲む空間が広がります。『きんせ旅館』は、長らく休業していた同旅館を改修し、新たにカフェ&バーとしてスタートしたお店です。
「物置と化していたホールを片付けていくうちに、人に来てもらいたいと思うようになった」と話す同店店主の安達浩二郎さん。築200年以上という建物は大正後期から昭和初期にかけて改修されており、当時のアンティークな調度品が店内を鮮やかに彩っています。
時を越えて往時に誘われたかのような雰囲気の中、一息つくのもいいものです。

茶の間最新号プレゼント

旬だより 全国屈指の優良産地長野県木島平村の稲作五人会 お〜い、新米が、できたよぉ!

長野県木島平村稲作五人会がつくる、
どこよりも愛情たっぷりの特別なコシヒカリ。

読者の皆さまのためのお米が、ついに収穫を迎えます!

「遠いところよく来てくれたねぇ! 今年もついに収穫だよ」
満面の笑顔で迎えてくれたのは、長野県の北端、木島平村で月刊『茶の間』のお客様のために安心・安全なコシヒカリ<茶の間一号>を作ってくれている5人の生産者、佐藤一さん、森林一さん、小林英明さん、湯本良和さん、石川清人さんです。真っ黒に日焼けした皆さんの笑顔はとてもすがすがしく、その表情からはこの1年の苦労がすべて喜びに変わったような、そんな印象を受けました。
ここ、長野県下高井郡木島平村は、全国でも有数の米の優良産地です。高社山(こうしゃさん)やカヤの平高原という豊かな自然に恵まれ、日本の原風景ともいえるような、どこか懐かしく素朴な風景がそのままの姿で残っている、そんな心安らぐ場所なのです。ここで作られている米は、全国的にも評価が高く、米問屋をはじめとした取り扱い業者からも、その味と品質には絶大な信頼が寄せられています。このコシヒカリ<茶の間一号>は、モッチリとした食感の中に、米本来のほのかな甘みや粘りがあるのが特長です。米の食味では最高ランクの「特A」に評価されており、また、米・食味鑑定士協会が主催となって開催されている『米・食味分析鑑定コンクール』でも毎年入賞するなど、その味の良さは専門家のお墨付きです。
訪れた日は、収穫作業も後半にさしかかった、まさに繁忙期。
「稲の病気とか天候とか、年中心配ごとが絶えないから、こうして実った米を見てるとやっぱり嬉しいよな。俺らの作った米を待っててくれる人もたくさんいてくれるしよ」
佐藤さんが黄金色に染まった田を見つめながら、静かな笑顔で話してくれました。

「米は正直だから、必ず味に出る。
  だから手は抜けねぇんだよ」

八十八の手間が、すべて積み重なって米になる。

収穫のそのときを迎えるまで、米作りはひとときも気が休まることがありません。米を作り続けて30年、地域からの信頼も厚い米づくり名人の佐藤さんでさえも、「天候も違えば、気候条件も違う。だから毎年1年生なんだ」と話します。種もみから丈夫な苗を育て上げ、冬に降り積もった豊富な雪解け水を利用して田に水を張り、代掻(しろか)きをした田に田植えをし、梅雨の雨降る日も 、夏場の暑い日も、1日たりとも田の管理を欠かすことはありません。また、常に5人で集まって、状況報告や相談など情報交換を欠かしません。
「一番大切なのは手間暇をかけることなんだ。文字通り『米』は〝八十八〟回の手間をかけないと米にならない。それぐらいとにかく手間がかかるということ。米は正直だから、必ず味に出る。だから手は抜けねぇんだよ」
そんな米づくりの上で、田の温度管理は最も大切な仕事の一つです。豪雪地帯でもある木島平村に流れ込む水は雪解け水。水に手を浸すと、ものの5秒も浸していられないほど冷たく、きれいな水が絶えず村に流れ込んでいます。
「水が温かいと米の味は上がらない。だけと、ただ、冷たければいいってもんでもないんだよ。温度のメリハリをつけることが大事なんだ。夜の間は水門を開いて冷たい水で稲を冷やしておいて、昼間は太陽の光で水を温める。そうすることで、旨みの引き締まったおいしい米ができるんだよ」
と、佐藤さん。同じ地域とはいえども、田のある場所によって土の性質や生育条件は微妙に異なり、それによって田の管理の加減はもちろん、米の味も少しずつ変わります。しかし、そんな中、月刊『茶の間』が紹介するお米は、木島平村の中でも、とりわけ「この田でできる米はおいしい」と、5人が自信を持って選んだ場所で作られたコシヒカリなのです。

毎日食べるお米は、作る人の顔が
はっきり見えると、安心ですね。

収穫後の徹底した管理は、新鮮な味わいのため。

黄金色に実り、頭を垂れた稲は、晴天の空の下、見上げるほどに大きなコンバインで一斉に刈り取られていきます。「ウィーン」と田に響き渡る音とともに刈り取られた稲は、刈り取りと同時にそのまま脱穀され、茎と籾(もみ)とに分けられます。そして、籾だけをトラックに積んで運び、5人それぞれが所有している乾燥機で乾燥させ、水分量を一定にした後、籾すり機で籾殻を取り除いて玄米の状態にします。その後、選別機で決められた大きさの米だけを選別して、JA北信州みゆきへ運びます。その後、味が落ちないように厳重に温度と湿度管理の行き届いたJAの低温倉庫で貯蔵されるのです。この妥協のない徹底した管理の元で保管されているからこそ、刈り取ってから1年間水分含有量が一定しているのです。
つまり新米から1年間、約15%の水分含有量が保たれているから、毎月おいしいお米が届けられるのです。さらに、食べていただく人に、いつでも新米のような新鮮さを味わっていただくため、精米を行なうのは、毎回出荷する直前という徹底ぶり! この妥協のなさこそが、米と食べていただく人への愛情と感謝の深さそのものなのです。限られた量だけ尽誠心誠意をくして届けられる「幻の米」。ぜひ味わってみてください。

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