[ 広がっています、急須茶生活。]

いろんな人に、いろんな場所で。広がっています、急須茶生活。

vol.11 田中 裕也 さん(KRP町家スタジオ館長)

急須茶がつないでくれる人と人との関係はほんのり柔らかく感じます。

 田中裕也さんは西陣の町家を改装した起業支援施設「KRP町家スタジオ」の館長。個人事業主や小規模事業所に町家の一室をオフィスとして貸したり、一般向けのイベントスペースとして開放したりしています。「要約すると、人と人とをつなぐ仕事なんです。ここに入居した人同士やイベントで出会った人同士が新しいビジネスが生みだす。ぼくはそのお手伝いをしています」と語ります。

 「人をつなぐ仕事をしていると、お茶が人をつなぐことがあることに気付いたんです」。そう話す彼は、元バリスタだけあってコーヒーも大好きだけれど、やはり日本人だからお茶が好きなのだといいます。「町家は寒いでしょ?急須で淹れたお茶で温まるのがいちばんです。それにお客さんと事業のマッチングの話をするとき、ペットボトルをドンと置くんじゃなくて、ぼくがみんなに急須でお茶を淹れて、ひとつひとつ湯呑に注いでお出しして、そこからはじめると会議がとてもスムーズに進むんです」と笑っていました。

 「町家という京都ならではの資産を次世代の人につないでいくことが大事。急須で淹れるお茶も同じだと思いますよ」と語る田中さん。町家スタイルの暮らしには急須茶が似合う。だから、町家を守ることは、きっとお茶のある暮らしを守ることにもなる。彼はそう信じて、今日もお茶がつなぐ人の関わりの真ん中で働いています。

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